誰からも愛されない
⑭ 今後
✛✛不束者
一週間経つと忍さんの身体は
元通りになり
金曜日の夜には、
二人で秋山家に伺った。
玄関を開けると
お母様が、待っていてくれて
抱きしめてくれた。
「ご心配を沢山かけてしまい
すみませんでした。」
と、言うと
「彩心ちゃんは、なにも悪くないの。
心ない事を身内が言ってしまったこと
本当にごめんなさいね。
凪にも清香にも、
もう一度、勉強をやり直して貰いたい。」
と、お母様は悲しそうに言われていた。
「お母様。
凪さんや清香さんのせいでは
ありません。
ただ、私が弱いだけだったのです。
その為に忍さんにも
辛い思いをさせてしまいました。
このような私ですが、
忍さんと一緒にいる事をお許し下さい。」
と、言うと
「何を言ってるの。
母さんや父さんが反対しても
僕が彩心を離す事はないよ。
まぁ、二人が反対するわけないし。」
と、言いながら彩心の頭を撫でる忍。
「本当よ。
私は、また彩心ちゃんと
一緒にいれる事が嬉しいの。
だから、今からは何でも言ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
と、話ながら三人でリビングに行くと
「まったく、いつまで待たせるのやら?」
と、リビングにいる秋山さんが・・
優しい顔をして言われた。
「お邪魔します。
先日は、病院でありがとうございました。」
と、彩心が言うと
「いらっしゃい。彩心ちゃん。」
と、秋山さん。
それからは、四人で今までの経緯を
話してから、今後の話をした。
近日中に彩心の実家にご挨拶に伺う
彩心のマンションは解約
来月に婚約発表・入籍
五月に挙式との予定で進む事になった。
「彩心ちゃん。
慣れないことも沢山あると思うが、
何も気負う事はないよ。
わからないことは、忍や家内に
聞けばよいし、
私もいつでも力になるからね」
と、言って頂き
「‥‥ありがとうございます。
ふつつかものでございますが
宜しくお願い致します。」
と、彩心が頭を下げると
「彩心っ。
それは、僕に言う言葉じゃない?
プロポーズの時に。
親父に言うなんて、親父に嫁ぐみたい。」
と、忍が慌ていうから
三人は、大笑い
「「まったく、お前は。あなたは。」」
と、秋山さんとお母様は呆れられて
私は、真っ赤になっていた。