広い世界を見たいから
突然の出来ごと
そう、それは突然だった。
いつものようにひとりであの場所で昼ごはんを食べてる彼女を見ながら俺も友達とご飯を食べていた。
そして、食べ終わって戻ろうとする俺に…
ゆき「…あのー…あのー」
小さくつぶやくようなその声に危うく聞き逃すところだったが神様はきっと見てくれていたのだろう、その言葉に振り向けた。
彼女は恥ずかしそうに照れながら言った。
ゆき「…あの…佐川りょうた君ですか?」
うぉー、俺の名前知ってるよー!と飛び上がりたい気持ちになったが必死におさえて平静を装い答えた。
りょうた「そうだけど…」
ゆき「実は、私苦手科目があってどうしてもできるようになれなくて学年で1番の佐川くんに勉強を教えてもらいたくて…」
そう、実は俺は案外勉強ができるというか要領がいいんだと周りは言う。
そんな事より勉強しといて良かった(泣)
ゆき「無理だったらいいんだけど…」
りょうた「全然、無理じゃないというかラッキー…いや、大丈夫だよ」
ゆき「ありがとう。じゃあ、昼のこの時間に少し時間もらえるかな?」
りょうた「うん、わかった」
ゆき「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします。」
りょうた「こ、こちらこそよろしくお願いします。」
緊張しすぎて覚えてないがなんだか俺に春が到来したっぽい。