広い世界を見たいから
そして…

1年が経った。

空港で待ってくれている彼女を探した。

彼女は笑顔で手を振っていた。

走って近づき、彼女の手を握り言った。

りょうた「俺と結婚してください。」

ゆき「え!?」

あまりの事で彼女は驚いていた。

りょうた「ゆきからの手紙を読んだ時から決めてた。1年後ちゃんと帰ってきたらプロポーズしようって」

ゆき「ちょっと待って、落ち着いて!」

りょうた「落ち着いてるよ。ゆきは俺に勇気や希望や未来をもらった、ありがとうって言ったけど俺の方がありがとうなんだ。
たしかにいろんな国に行ったけどゆきといる時が1番世界が広く感じた。なによりも。そして、ゆきと一緒に旅行に行きたいって思った。そうすれば、もっともっと世界が広くなると思った。
俺と一緒に世界を見に行きませんか?
ゆきと広い世界を見にいきたいんだ。
だから、俺と結婚してください。」

ゆき「…わ、私でいいの?」

りょうた「ゆきがいいんだ。」

彼女は俺に抱きついて何度も何度も何度もうなずいた。

そんな彼女を力いっぱい力いっぱい抱きしめた。

そして…そして…

俺たちは大学を卒業して結婚した。

俺は大手の旅行会社に勤め、世界を飛び回っている。

彼女はまだまだ駆け出しだが翻訳家の夢を叶え、年に何冊かずつ翻訳家の仕事をやっている。

彼女とは結婚しても年に2回は必ず海外旅行に行っている。

彼女と広い世界を見るために。

ただ、来年からは年に1回に減るかもしれない。

もう少ししたら、子どもが産まれる。

旅行は減ってしまうかもしれないがまたひとつ世界が広がりそうだ。

俺は今もこれからもずっと変わらず彼女と見るこの広い世界を誇らしく、幸せに思うだろう。



俺は本当に幸せ者だ。

この広い世界のだれよりも。

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