朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「朝間先生はともかく、箏子さんさえ騙せればよかった。見慣れているはずの在義さんを見間違うほど動揺している、って証拠がほしかったんです」
「………―――」
説明すると、箏子さんは顔を真赤にさせて口をつぐんだ。
送れて、咲桜は意味を理解し始めたようだ。
「簡単に言うと、箏子さんの本心は、今の行動ってことだな」
「………」
降渡が雑に髪を手で梳く。
「あー、夜々子さん? あんまりゅうを苛つかせない方がいいですよ? こいつこの通り、かなりえげつないやり方でヒト、追い詰めますから」
「……確かにえげつないですね」
朝間先生は神妙に肯いた。
否定はできない。
「……在義!」
結局箏子さんは、在義さんを睨みつけた。そもそもの黒幕たる。
在義さんはにっこり微笑む。