朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「朝間先生はともかく、箏子さんさえ騙せればよかった。見慣れているはずの在義さんを見間違うほど動揺している、って証拠がほしかったんです」


「………―――」
 

説明すると、箏子さんは顔を真赤にさせて口をつぐんだ。
 

送れて、咲桜は意味を理解し始めたようだ。


「簡単に言うと、箏子さんの本心は、今の行動ってことだな」


「………」
 

降渡が雑に髪を手で梳く。


「あー、夜々子さん? あんまりゅうを苛つかせない方がいいですよ? こいつこの通り、かなりえげつないやり方でヒト、追い詰めますから」


「……確かにえげつないですね」
 

朝間先生は神妙に肯いた。


否定はできない。


「……在義!」
 

結局箏子さんは、在義さんを睨みつけた。そもそもの黒幕たる。
 

在義さんはにっこり微笑む。

< 101 / 295 >

この作品をシェア

pagetop