朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
『……うん』
「うん?」
『……反対、された』
「え……もしかして、遙音先輩?」
五秒ほど間があって、笑満は小さく肯定した。
「やっぱり――前にあった、こと?」
『事件』とはっきり口にするのははばかられて、ぼかした訊き方になった。
しかし、笑満は違うと否定した。
『遙音くん、は、あたしのお婿さんでいいんだって』
「どこまで認められてるの⁉」
まさかの婿確定。いや、笑満の嫁確定? 私の笑満がもうお嫁に……!
『そのくらい、認められてるの。……遙音くんと付き合うのは、いいし、うちに来てもっらっても、いい。でも……遙音くんが、警察の世界に関わるのは、認められない、て……』
あ――。
思わず息を呑んだ。それこそ、吐きかけていた分まるっと。