朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「咲桜としか考えたことないから一般的とか知らないけど、咲桜の母君だからストレートに言わないと曲解上等だろうなあ、と」
「う」
は、反論出来ない……。
その思考回路の所為で、自分、今までも色々流夜くんに迷惑をかけているらしい……。
「まあ、反対されてももらっていきますけど」
「今までの挨拶台無しだよ!」
思わず叫ぶと、流夜くんは「うん」と目を細めた。
「いつもの調子、戻ったな」
「う」
……自分のテンションまで取り扱われていた……。
さすが流夜くん。何枚も上手。
「一番は――」
と、言葉を返せない私の肩を、流夜くんが抱き寄せた。
「咲桜に、生きていることを後悔させませんので、ご安心ください」
「―――――――」
「最後を越えても愛しています。……どうか、お認めください」