朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
side流夜
「うるさい! なにしに来たんだお前ら!」
「いきなりひでーなー」
「学校には関わらないと言っただろう、お前たち」
「それがちょっと事情は変わっちゃってねえ」
吹雪さんは相変わらずにこやかに言葉する。
ちょうどそこへ、騒ぎを聞きつけた学年主任がやってきた。
「神宮先生! なにごとですかっ? 今飛び降りたって生徒が駆けこんできましたよ!」
息を切らせている学年主任を見て、吹雪がぷっと吹き出した。
しまった。
俺たちには二、三階程度からの飛び降りもどうってことないが、一般的に考えれば危険行為なんだった。
急に、吹雪が背筋を正す。
「突然申し訳ありません。上総警察署の春芽です。神宮流夜のことで、学校側にお話があって来ました」