朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「向こうもそういう兄評価してるからいいんですよ。遙音を高校へ進学させたかったのもありますし」
「……普通そう思っても、自分が教師になればとか考えませんよ」
「俺らはそう考えますよ」
朝間先生は、はあとため息をついた。
「貴方、これから周囲が変わりますよ」
「でしょうね。今まで頑張ってみたんですが……やっぱりキャラじゃない。いつかボロは出ますね」
「……わかっててその対応ですもんねえ。女子生徒には気を付けてくださいよ。特に」
「……婚約者いるって言っていいと思います?」
「うーん……退く人は退くでしょうけど……、って! なんでわたしがそんな相談乗らなきゃなんですか!」
「朝間先生が振って来たんでしょう」
「もうわたし戻ります! わたしをマナちゃんとの交渉役にとか考えないでくださいね!」
「残念です」
「ほんっと他人を使うことしか考えませんね!」
朝間先生は憤然と歩き出した。一応、その背を見送った。
うーん。……ちょっと、面倒になったなあ。