朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
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なんというか、我慢も限界。
その日、私は流夜くんのアパートを訪れていた。うちで半同居状態だったのだが、学校で素顔がばれたことを警戒した流夜くんは、この一週間うちには寄ることはなかった。
旧館へも来ないよう言われた。
学校では衆目の人となってしまい、部活も解散した今、流夜くんに逢える場所がなかった。
……お弁当も渡せていないから、食生活が心配でもある。
私に一つ残されたのは、桜のストラップのついた鍵だった。
まさかだけど、アパートまで押しかける生徒もいるかもしれない。
危険があることは承知だ。
それでも今日は逢いたかった。
いつか頼に言った言葉が甦る。
何かあったら――流夜くんが学校を辞めさせられそうな事態になったら、自分も辞める。
今は定時制も通信制もある。
頼や笑満とは学校が離れたぐらいで切れる縁ではない。
私は、大丈夫だった。
だから――逢いたかった。なにをおいても。