朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「……遙音先輩がどう決めるか――判断するか、しか、ないのかな……」


『………うん』
 

笑満の声は浮かない。私は軽く息を吐いた。


わかっていたことだけど、失念していた。


「でも……それが普通だよね」


『……うん。あたしも感覚マヒしてたかも』


「ごめん」


『咲桜のせいじゃないよ』
 

笑満の声が少しだけ軽くなった。


『とりあえず咲桜、今日も学校でね。あとでもっとラブラブ話聞かせてもらうから!』
 

気を取り直したように半分高い声で宣言されて、また苦みを噛みながら笑った。「うん、また」と。

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