朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「じゃあ……」
「咲桜」
流夜くんが顔をあげて、私の唇に指を置いた。
強制的に黙らされて息を呑む。
またそうやって恥ずかしいことをさらっと……。
「……たぶんこれかも、こういう面倒事に巻き込まれると思う。その度に咲桜に辛い思いをさせるかもしれない。……それでも、いいか?」
「………」
「俺の恋人で、いてくれるか?」
「うん」
答えることに迷いはない。流夜くんだから、肯ける。
重なる影の中に、満たされていく幸せ。
もうどうしたって、手放せない。
最愛の人になってしまったんだよ。
「絶対俺が護るから」