朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「あー、笑満ちゃん、咲桜。榊原衛(さかきばら まもる)さんと、草賀尊(くさか みこと)さん。笑満ちゃんは、蒼さんのことは知らないよね。衛さんたち十三人は桜学の初代Pクラスって言われてるんだ。神宮たちの一つ上の旧知で、神宮を桜学の教師に誘ったのは蒼さん。つーか神宮、衛さんたちに話してるなら言えっての」
先輩がぼやくと、衛さんはまた軽く笑った。
「それを自分で明かせ、が流夜たちの、遙音への教育方針だろ。甘えない」
「そうだけどさー」
先輩は不満顔を隠さない。
「んで、松生笑満ちゃんと、華取咲桜。まー……あんたらならどこまで知ってるかってハナシだけど」
「蒼くんからお名前だけは聞いてるよ。流夜くんの彼女と、遙音くんの彼女。草賀尊です。よろしくです」
「あ、よろしくお願いします」
「は、初めましてっ」
私と笑満は慌てて頭を下げる。