朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「衛さんは警視庁の刑事で、尊さんは医者だよ」
「えっ、じゃあマナさん――春芽愛子さんとかご存知ですか?」
警視庁と聞いて、私は大きく反応した。
「マナさん? ……って、春芽……さん?」
「はいっ。私のお母さん代わりの一人ですっ」
私が勢い込んだ瞳で言うと、衛さんと尊さんは刹那視線を凍らせた。
「そ、そうなんですか。……愛子さんがお母さん代わり……色々不安です……」
「うん。めちゃくちゃご存知ですね。あの人を知らないで生きてく方が無理だってくらいご存知です」
尊さんの視線が下に向かって、衛さんは真面目な声で返して来た。
? どうしたんだろう。私はクエスチョンマーク。
「今日は二人は? デート?」
先輩が言うと、衛さんが肯いた。