朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「そ。お互い休みなかなか合わないからさー」
「へー。仲好さそうで何より。あんたら忙しいにもほどが
『キャーッ‼』
つんざくように轟いた悲鳴に、衛さんと尊さんはさっと顔色を変えた。
途端、叫び声や走り出す人の波が生まれた。
「尊!」
衛さんと尊さんがすぐさま声の方へ駆け出し、その後を遙音先輩が追った。
私と笑満も反射的に先輩を追う。
「―――っら! 暴れんな! 凶器所持、現行犯逮捕!」
人並みが終わって拓けた視界で、うつ伏せにされた男の背中に膝を置いて腕を捩じりあげ拘束した衛さんがいた。
少しだけ離れた場所では、座り込む女性を支える尊も。
「遙音!」
「っ!」
衛さんに呼ばれて、先輩も暴れる男の拘束に加わる。