朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
少し頭が重くて、言われた通りベッドに横になる。
病室、というより救急の処置室のような部屋だった。
「………」
流夜くんもボンベイタイプだったのは初耳だ。
でもそれで一人の命が助かったんだ。
自分たちが珍しい血液型だった、意味があったのだろう。
「………」
いいこと、だったはずなのになんだかだるい。貧血の所為だろうか。
まさか自分まで輸血が必要なんてことになったら申し訳ないと思い、瞼を閉じた。
少しでも休んで回復しないと。
声? 目を閉じて聴覚しか働いていない所為か、遠いところの声が聞こえる。
意識が夢に落ちそうになりながら、現実とも繋がれていて、まどろむように目を閉じていた。