朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「……なるほど。あいつが来ないと思ったらそんなことあったか」


「うん……。笑満も落ち込んじゃってて……」
 

午前で終わった補講。


流夜くんが学校を出る前にと思い、笑満を頼に旧館に預けてすっ飛んできた。


流夜くんは軽く腕を組んで難しい顔をしている。……今朝とはまるで違うカオ。


「まあ、確かに松生のご両親のが一般的な感覚だろうな。俺も、咲桜の親が在義さんだったから許されている部分、あるし」


「……はい」


「だが――日義はほんと回転がいいな……。大丈夫だ、咲桜。明日には松生も遙音も笑ってる」


「え? どういう意味?」


「明日には大丈夫にする、て意味だ。俺から約したことだけど、今日はちょっと行けなくなる。ごめん」

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