朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「ああそうだろうね。流夜を不幸にする話なんて聞きたくないよ。でも、聞いた上で流夜に知られないように処理することも出来る。もしお前が、抱えてしまって悩んでいるのなら僕らに話して楽になってしまえ。そうして、流夜と咲桜ちゃんには悟られるな」


「……………。……二十五年前の、事件、そこに残された二つの検体と、………咲桜さんとの間に、親子関係が証明された」


「二つの検体? 誰と、誰だ」


「……一つは、……………神宮美流子さん、だ」


「―――――――――――――――」


「は? 何、言ってんだよ琉奏。咲桜ちゃんの母親は、桃子さんって言うんだろ?」


「雲居。お前が察していないわけがないのはわかってるよ。わざと、言ってくれてるってことくらい……」


「いや、まさかまさか、あり得ねえよ。――――なあ、琉奏!」

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