朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
もしそう乞われていたら、私が選ぶ答えは一つだ。
「………なんで、そうしないの……わたし、いっしょにいくよ……流夜くんといっしょだったら、しんだっていいよ……」
「そう言ってくれるってわかったからだ」
流夜くんは片手を離して、私の頬に当てる。辛そうに、その顔が歪められる。
「でも、死んだって一緒にはいられない」
「………っ」
「一緒にはなれない。俺は、咲桜を失えなかった」
「……失うって……」
「どう足掻いても、なにが枷でも、咲桜だけは……ごめん、死なせたくない」