朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「うん……いなくならない。死んだりしない」
「……ううぅ………」
「だから咲桜。恋人は、終わりにしよう」
「………っ」
「………」
「……………やっぱり、……そう、なの……」
思い切りつぶっていた瞳が、流夜くんに向いた。
「いや――ちょっと違うかな。少し、考えよう」
「……考え?」
「ああ。一度、恋人は終わりにしよう。それで、考えよう、二人で。これからをどうするか」
「………」
「選択肢はたくさんある。だから……一生かかるかもしれない。咲桜の人生を、考えるために束縛してしまうかもしれない。でも、ちゃんと考えていきたい。……ごめん、咲桜のこと、手放せない。それだけは、ごめん……ゆるしてくれ」
「……いいよ。わたしも、かんがえる。私こそ、流夜くんの一生、くっついてはなれられなかったら、ごめん」