朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
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ぐー。
「……う」
「腹減ったのか?」
「ごめんなさい……こんなときに」
「こんなときだからメシ食ってなかったんだろ。お前すごく軽くなってるぞ」
「……ごめんなさい」
「少し横になってろ。倒れたら困る」
「なんで?」
「メシ作るから」
「わ、私も作るっ」
「……少しくらいは出来る」
「じゃなくてっ。~~いいから」
渋る流夜くんの背中を押して、キッチンへ向かう。
――今夜が、恋人としてのリミットだ。
だからせめて、そのぎりぎりまでは傍らにいたい。
もう望めなくなるかもしれないから。