朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

+++

ぐー。


「……う」


「腹減ったのか?」


「ごめんなさい……こんなときに」


「こんなときだからメシ食ってなかったんだろ。お前すごく軽くなってるぞ」


「……ごめんなさい」


「少し横になってろ。倒れたら困る」


「なんで?」


「メシ作るから」


「わ、私も作るっ」


「……少しくらいは出来る」


「じゃなくてっ。~~いいから」
 

渋る流夜くんの背中を押して、キッチンへ向かう。


――今夜が、恋人としてのリミットだ。


だからせめて、そのぎりぎりまでは傍らにいたい。


もう望めなくなるかもしれないから。

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