朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「じゃあ、遙音は先生がその……警察関係の人だって知ってたのか?」
「もちろん。あと咲桜もな。咲桜は親父さんが警察の人だから、そっち繋がりで知ってたんだよな」
「え――あ! うん!」
肯け、と咲桜を睨んだ。
華取さんの職業、ずっと秘密にしていたことをバラしても、護れ、と。
「そーいうワケ。神宮は朝間先生とはむしろ天敵だし、黙ってたのは俺のためってことでゆるしてくんね?」
そこまで言うと、仕掛けたヤツらはきまずそうに視線をかわす。
「――遙音、咲桜」
低い声で呼ばれ、咲桜の肩が跳ねた。
同じような反応は周囲の何人かからもあった……。
「お前たち随分勝手にぶちまけてくれたな」
怒ってるー! 当たり前か! そんな咲桜の心の声が、俺にも表情から見て取れる。
「すみませんでした!」
謝ったのは咲桜でも俺でもなく、水をかけた生徒だった。
「あの……なんか勘違いみたいで……すみませんでしたっ!」
神宮は軽く息を吐いた。