朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

side咲桜



ぽやーっとした世界。大すきな人が一番に見えてくる。


………………………………ああ! 現状把握に二十秒ほどかかって、口をパクパクさせた。
 

うあ、うあ……えーと……えーと………ありがとうございます。寝ている顔も素敵です。


「……何してんだ?」
 

拝むように手を合わせていると、流夜くんが胡乱な声を出した。


「あ、起きてましたか」


「起きました。なにしてんだ?」


「眺めてました」


「………そういうことよく素直に言えるな」


「ほんとのことだから」


「………」
 

何故か流夜くんの瞳は平坦だった。寝起きだからかな?


「あの……」


「うん?」


「どういう状態ですか?」

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