朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「………咲桜」
笑満が私の隣に立って、右手を握ってくれた。
私の言いたいことがわかっているから。
「私……その、ゆるしてもらえるなら、………正式に、流夜くんの、親族、名乗りたいと思うんです」
「――え? それって……咲桜?」
先輩が驚きに目を見開く。
流夜くんを見ると、口を真一文字に結んでいた。
「あれな話なんですけど、私……流夜くんの家族は、私が、って願ってました。でも……それも、無理で。だから、私が……結婚っていう立場じゃないけど、家族になりたいんです」
「………」
「咲桜ちゃん……」
夜々さんに呼ばれて、本当のことをいうことを決めた。
決意。