朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「――はっきり、言いますね。私と流夜くんの間に、血縁関係があるから、無理、じゃないんです。…………私、生理が、ないんです」


「………え? は?」
 

ぽかんとする先輩に、笑満が言った。


「あのね、遙音くん。女の子にはかなりデリケートな話だから、質問とかはしないでほしい」


「あ、ごめん……」


「いえ。……私、身長とかは小学校の頃から一番高かったんですけど、そういう子って、割かし早く初潮がくるらしいんです。でも……私は、十六になっても、ないんです」
 

あ、だめだ。気を付けていても哀しい感じになってしまう。


「……先日、夜々さんに付き添ってもらって、病院、行ってきました。……このまま、という可能性が大きいみたいです。だから、私が――――わっ⁉」


「ごめん。そんなところに、一人で立ち向かわせて」
 

流夜くんに抱きすくめられていた。


久しぶりの状況に、私は頭が真っ白になった。

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