朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「衛?」
その声に流夜くんが反応すると、カーテンが開かれて榊原衛さんと吹雪さんが姿を見せた。
「よ。お邪魔してます」
軽く手をあげる衛さんに、流夜くんは平坦な声で応えた。
「……衛みたいな外部に、今来られると困るんだけど」
「聞いてる。吹雪と降渡が突撃したんだって? だから、夜々子さんに匿ってもらってた」
隣の吹雪さんが「そーいうこと」と微笑む。そして流夜くん、一言。
「吹雪と密会でもしてたか、衛。吹雪が悲恋確定だからってお前の方に巻き込むなよ」
『ええええっ⁉』
「んなわけねえよ」
私、笑満、先輩が声をそろえた。
衛さんは呆れた風で言うけど、流夜くんは大真面目な顔で続ける。