朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「衛?」
 

その声に流夜くんが反応すると、カーテンが開かれて榊原衛さんと吹雪さんが姿を見せた。


「よ。お邪魔してます」
 

軽く手をあげる衛さんに、流夜くんは平坦な声で応えた。


「……衛みたいな外部に、今来られると困るんだけど」


「聞いてる。吹雪と降渡が突撃したんだって? だから、夜々子さんに匿ってもらってた」
 

隣の吹雪さんが「そーいうこと」と微笑む。そして流夜くん、一言。


「吹雪と密会でもしてたか、衛。吹雪が悲恋確定だからってお前の方に巻き込むなよ」


『ええええっ⁉』


「んなわけねえよ」
 

私、笑満、先輩が声をそろえた。


衛さんは呆れた風で言うけど、流夜くんは大真面目な顔で続ける。

< 204 / 295 >

この作品をシェア

pagetop