朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「くっそだからお前らみたいな性悪ガキの頼みなんか聞きたくねえんだよ。華取さんの娘が泣いてでもしなかったら門前払いだぞ」
「え? 私?」
私が自分を指さすと、衛さんは「そう」と応えた。
「吹雪からの依頼で、神宮家のことを調べさせてもらった」
「……吹雪?」
「うん。僕より衛のが顔広いし行動範囲許されるし。でも早かったね。衛忙しいからもっとかかると思ったよ」
「帝を遣いっ走りにしたに決まってんだろ」
「みかど?」
私がまた反復すると、流夜くんが教えてくれた。
「草賀帝。衛の同期。尊の双子の兄で、衛大すきな衛のストーカー」
「それも持ってくんじゃねえ性悪! もう終わった話だ!」
衛さんは相当苛ついているようだが、流夜くんは引きもしなかった。