朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


旧知らしい三人の応酬を聞いて、遙音先輩が頭の中にメモを増やしているな……と私にもわかった。


周囲の話を聞く限り、どうやら流夜くんたち三人は、自分たちを師事する遙音先輩には『見て学べ』というスタンスのようだ。


勿論、斎月のことも直接は話さない。


だからこういうところから情報を集めて行かないといけない先輩のようだ。


……大丈夫かなあ、流夜くんの弟こと、大和斎月が実は女の子で、しかも先輩より二つ年下。


知ったとき、先輩がショックしか受けない気がしてならない。


「お前らいると話が脱線しまくりだ。本題。咲桜さん、流夜の親族を名乗るのは、少し待ってもらいたい」


「………」
 

急に話が巻き戻って、私は唇を引き結んだ。


「まず、神宮美流子は流夜の血縁であっても、正しく姉ではないことが裏付けとれた」

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