朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

side流夜



「衛」


「お? なに、見送り?」
 

衛が裏門につくと同時に追いついた。


「まあ。……わざわざ、手間かけたな」


「気にすることじゃない。いつもの一つだ」


「いや……ありがとう」
 

俺の、いつになく細い声に衛は瞳を細めた。


「……俺らが探った意味、少しはあったか?」
 

問われて、少しだけ肯いた。


「ああ。――おかげで、離れる覚悟が出来た」

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