朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「まー流夜の場合、それで人格に問題があったり社会的に悪影響及ぼしているわけでもないから、僕らも放っておいてるけどね。
むしろ流夜の立場で今ほどの活動をしようとしたら、そのくらい分けて考えられた方がいいのかもしれない。問題は、それを意識的に操れていないってことかな」
「意識的?」
「被害者遺族としての『神宮流夜』と今の自分を意識的に操れたら、流夜は過去の自分と、和解あるいは決別が出来る。決定的に変わることが出来る。
操るってのはその対象を認識して意識すること。置いて来た『子どもの流夜』を今の自分の中に一度迎え入れないといけないからね。そのまま受け入れるかどうかは、流夜次第だけど。
……受け容れるか排除するか、過去にあった『真実』と向き合わなくちゃ――いけない」