朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

side咲桜



流夜くんに置いて行かれた。
 

決定的に、突き放された。
 

ぺたりと床に座り込んで、うなだれていた。
 

――かと思ったら、ぎりっと歯を喰いしばって顔をあげ、真正面を睨んだ。


「愛してるぞバカめー!」


「うわ、びっくりした」


「わっ⁉ 笑満っ?」


「一応ノックしたんだけどね? 急に叫んでるから……」


「う……ごめん。なんか抑えきれなくて」


「わかるけど……。元気なった?」


「……ように見える?」


「ごめんなさい」
 

私の返事に、笑満はすぐさま謝った。


「……前みたいな落ち込み方じゃ、ないね」
 

私の傍らに来て、膝を抱えて座る笑満。

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