朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「それにわたし、両親も医者や研究業なので、小学生の頃に検査して、そうだってわかってましたから」
「……そう、なんですか……」
やっと、笑満がそう言った。
「はい。わたしたち十三は、生きにくい命ばかりでした。だからこそ似た者同士が集まった高校生活は生きやすかったです。集めてくれた人には、ある意味感謝してます」
「………」
「白ちゃんは、声がないんです」
「……こえ?」
「中学生の頃、喉の病気になって声帯を取っているんです。病院で知り合ったんですけど。だから、耳は聞こえてますが喋れないので、いつも手帳でお話するんです」
「……それが、蒼さんの奥様……」
「です。大学出てすぐ結婚したと思ったら、二年で子ども四人産みましたからねー。有言実行はんぱないです」
あれか。年子の双児。