朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


さりげなく、尊敬が勝り過ぎて緊張の対象であるらしい在義父さんから離してみると、絆さんは少し和らいだ表情になった。


……絆さんにとって在義父さんは本当、どんな存在なんだろう。
 

取りあえず、絆さんをキッチンに呼ぶことに成功した。
 

……もう少しここに慣れれば、絆さんの緊張もとけてくるだろう。


在義父さんと降渡さんはソファの方へ行き、絆さんだけキッチンに来る。


絆さんは興味深そうに私の手元を見てくる。


「咲桜さんってなんでも出来るのねえ」


「なんでもではないですよ。学校の勉強とか苦手ですし」


「でも降渡が咲桜さんの料理大絶賛してたわよ? あいつが他人褒めるの珍しいのよ」

< 253 / 295 >

この作品をシェア

pagetop