朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「夜々さんは聞いてもらう側だから、父さんの方座って。今日は私の味方じゃなくて、聞いてほしいの」
「……どうぞ、夜々ちゃん」
咲桜が夜々ちゃんに、私の隣を示す。
夜々ちゃんが少し困った顔をしたので、こちらから招いた。
夜々ちゃんと隣に座り、L字の一方に咲桜がつく。
「進路相談、なんだけど、私、大学には行かないで仕事に就こうと考えてます」
「……それは、その……迷惑だとかそういうことを考えて?」
私の控えめな問いかけに、咲桜は首を横に振った。
こんな言い方もしたくないけど……。
「ではないです。そういうことを、全く考えてないわけではないけど……。出来るだけ早く――目標は高校生のうちに、行政書士の資格をとる事です」
「行政書士?」
いきなり出て来た単語に、オウム返しに訊いた。
夜々ちゃんも瞳をぱちぱちさせている。