朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「……本当に、神宮の相棒の『大和斎月』なんですか?」
ようやく先輩の思考は追いついたらしい。
このタイムラグが、未熟のゆえなのだろう。
「そんなんじゃないですよ?」
「……違うの?」
「周りはそう言いますけど、私としては兄さんなので。兄さんも弟扱いしてきますし」
「周知の事実になってんじゃないですか」
「は、遙音くん? だ、誰?」
「あ、えーと……神宮の相棒って言われる、犯罪学者。雲居や春芽じゃなくて」
「学者さん? なんですか?」
「はい。あ、でも敬語とかしないでください。私のが年下ですし」
『………え?』
今度は笑満と先輩の声が揃う。
「私今、十五歳です」