朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
『……………え。………ええええええええええええええええ⁉』
《白》の屋根が吹っ飛ぶかと思う絶叫が轟いた。
「笑満まで驚くの?」
「な、なんかノリで!」
あまりの大音量に耳を塞いだ私に、笑満は慌てて言った。その隣の先輩は……
「………」
やばい。瞬きすらしていない。
呼吸まで止まってないといいけど……。
斎月、今は私服なのだけど、制服という目印がないとやっぱり未成年には見えないよなあ。
と言うかそもそも、斎月はもう制服を持っていない。
人のこと言えた私ではないけど。
「あららー。やっぱ斎月姫爆弾はでかすぎるって」
降渡さんが呆れ感満載で頬杖をつく。
「つまりは遙音にバラしにきたってこと?」
「かもしれませんねー?」
吹雪さんが訊くと、斎月は薄ら笑った。
ガタッ
「……放せ降渡。僕はそろそろこいつを殺(や)らなきゃいけない」
「まー待て? お前が向かって行っても返り討ちだから」