朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「あー、吹雪は斎月が苦手なんだよ。周りの人に、斎月って俺らより


「降渡! この偏屈に有利になることを言うな!」


「別にそれ、私はこだわないんですけどね」


「その余裕っぷりがムカつくんだよバーカ!」
 

ふ、吹雪さんが小学生の喧嘩みたいなことを言っている。


しかし斎月はちらりとも相手にしていない。


「もう出てけお前! 今は咲桜の勉強中なんだよ!」
 

犬を追い払うように手を振る吹雪さん。さ、さっきから言動が子どもだ。


「んー、わかりました。咲桜姉様、またこっち来たら連絡しますので、お友達も一緒に遊んでください」


「あ、うん。勿論」


「では、お騒がせしました」
 

斎月は綺麗な礼を取って、ざわついた空気も一緒に持って行くように店を出た。


「……………雲居、春芽」

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