朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「……そんなところです。それと、そう改まらないでください。俺は年下もいいとこですし、あなたはさくの兄たる流夜さんの婚約者であられる」
「………」
思考、停止。
司さんは提言するも、困った様子は一つもない。
顔にも、声にも。
…………………………………。
「年下? って、私がですよね?」
まず簡単に解決出来そうなところから反応出来たけど、実は一番簡単じゃなかったようだ。
「いえ? 俺はさくと同い年です。数えでは十五です」
確か自分、昨日の誕生日で十六になったはずだ。
「数え?」
「はい。生まれ日はまだなので、そちらで考えれば十四です」
「……………………」