朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「あの、ね?」


「うん?」


「すき」


「………」


「今も、って言うか三年前からずーっと、すきの一番は流夜くんだから。いなくなっちゃっても、全然変わんなくてむしろ困った。

だから、いなくなるんだったら追いかけるために、日本だったらどこにいても仕事が出来る資格も取った。……また、どこか行くの? 今度はつけていくからね」


「……ついていく、ではなく?」
 

つける、のか? と流夜くんは眉を寄せた。


「だって何も言わずにいなくなっちゃうんでしょ? だったら尾行するしかないじゃん」
 

流夜くんの隣、心の言葉。


ずっとずーっと、何でもいいから話したかった。


話さなくてもいいから、こんな近さにいたかった。
 

私が文句を言うと、流夜くんは軽く笑った。


「その心配はない」

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