朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
「進路、見つけたろ。行政書士になるって」
「……理由は流夜くん追いかけるため、だったよ?」
「そこは引っかかったけど、情報源の絆からして降渡のために法曹界(ほうそうかい)に入ったんだ。否定もしにくい」
「……ほんと、クリアでよかったの? 言ったでしょ? 自分を入れて考えるなって」
「言ったな。でも、俺のために、じゃなくて、咲桜が自分のために選んだのなら、何でもよかった。俺の側へ巻き込むなって言われてる、朝間先生に殺される覚悟はある」
「殺されちゃダメだよ⁉ 私も死んじゃうよ⁉」
「……そこは変わらんのか」
「………すみません」
ううー。流夜くんと一緒に生きていたい、が生きる理由になってしまっているのは……否定出来ない。
これじゃあまた――一瞬悩んだけど、流夜くんの反応は違った。
「じゃあ、咲桜に生きていてほしいって俺のためにも、俺も生きるしかないな」