朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「咲桜の父親は在義さんだけって、そういうことじゃないか?」
 

咲桜の父親は華取在義で、母親は華取桃子。
 

事実と現実は、それ。


……流夜くんが揺らがなかったと言ってくれたことは、私の中でも変わらなかった。


「……うん。そうだね。でもその……友人だけど犯人ではない、って、どういうこと?」
 

流夜くんは刹那顔を厳しくした。


「……少年犯罪、だったんだ。犯人は学友三人。そして美流子を連れ去った四人目も友人であって、遅れて神宮の家にやってきたために、直接――殺しに関してはいないけど、現場を見て、美流子を見つけて、逃げて、逃げ続けて、警察へ向かうこともしなかった。

……殺しはしていないけど、犯人の仲間と認識される行動を取っている」
 

逃げ続けて。


「そう、なんだ……」
 

そこまで聞いて、私の肩から息が抜けた。


そして、流夜くんの頭を包むように腕を伸ばした。

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