朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
私は一日経って、甘やかな雰囲気を一掃したようにキリッとしていた。
いつもの私だったと思う。
一方流夜くんは、まだまだ恋人モードでいたかったようだ。
……さっと顔を正面に戻す。
キリッと顔が照れ隠しだというのは、流夜くんはわかっているのだろうか。
流夜くんは色んなことを知っているし、色んなことを見透かしているように感じるけど、結構トンチンカンなことばかり言ったりやったりする。
わかられていないのかな。
……わかってほしいのと、秘密にしておきたい心。
乙女心は複雑なのかなあ。
……自分が乙女名乗るのが不遜な気が勝るな。うん。
ずるずるずる。
どうしても離れないので(私も本気で追い払おうとは思わないので)生徒を背負った形で料理講習会と相成った。
なんだコレ。