朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
昨日用意しておいた残りがあったので、軽くスクランブルエッグとグリーンサラダだけ作った。
朝起きた場所。並んで寝ていた場所。
結局生徒、ずっとずるずるしていた。
「咲桜、今日夕方時間作れるか?」
「今日? うん――と、大丈夫だよ」
「少し行きたいところがあるんだ。華取の家で待っててもらえるか?」
「うん、わかりました」
やたらベタベタしてくる流夜くんに困りつつ、それでもそれが、嬉しい。
――十六歳の誕生日。二十五歳の誕生日。重なる時間、一緒に。