朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
私たちの位置では笑満のご両親は背中を向けていて、どんな顔をしているかはわからなかった。
「あの……遙音とはどういう関係なんですか? 学校の先生と生徒、だけでこんなお話になるんですか?」
「そうですね――元を言えば、私たちが高校生で、遙音が小学生の頃からの知り合いです」
「オトが小学生? それで、……解決って?」
遙音先輩が口を開いた。
「現場に、来たんです。神宮と、あそこにいる雲居と、今は警官の春芽って奴の三人が。
当時三人とも高校生でしたけど、既に警察に関わっていました。関わることを警察に認められてもいました。
俺は――そのときどうしてかわからないんですけど、神宮たちに頼ったんです。
それからすぐ、犯人は捕まりました。神宮、雲居、春芽が犯人を割り出して、確保までしてくれたんです」
生満子さんも憲篤おじさんも言葉はない。
微動だにしないことが、動揺している反応だと悟らせた。