朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「どうして教師をやっているか、という問いでしたら、簡単に言えば遙音を高校へ進学させるためです」
 

その言葉は初耳なのか、先輩が流夜くんを見た。


「は? 俺? お前探し物あるって言ってたじゃねえか」


「言ったらお前学校辞めるだろ。元々遙音、進学はしないと言っていたんです。就職するとか言って」


「え、そうだったの? 遙音くん」
 

憲篤おじさんがやっとそこに反応することが出来た。


「まー、はい。大学行きたくなったら高卒認定とればいいし、学校行くより三人に学んだ方が勉強になるってわかってたんで」


「と主張していたので、誰かが教師になれば高校へも行くかなーということです。なので、遙音が卒業したら教師は辞めるつもりでいました」


「………遙音くんのために、自分の進路を変えたのですか?」
 

憲篤おじさんは、今度は流夜くんに問う。


「変えてはいません。今も交流のある警察署や研究機関はあります。昼は教師をするようになった、というプラスがついただけです」

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