朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】

side流夜



「神宮先生!」
 

本校舎へやってくると、教師仲間から呼びかけられた。


もう生徒は下校しているからか、そこには一年の担任副担任の中でも若手たちが集まっていた。


「お疲れさまです」


「お疲れさまですー。先生、今夜みんなで飲みに行くんですけど一緒にどうですか?」
 

合コンですか。すぐにわかった。


皆の後ろで慌てている旭葵が何やら手をバタバタさせて教えてくれている。


ただの飲み会じゃない、と。出来るだけ柔らかい笑みを浮かべた。


「すみません、仕事の残りがあるので今日は……」


「とか言って神宮先生、仕事きっかり終えるタイプじゃないですかー。一日くらいだいじょーぶですよ」
 

愛子みたいな人って多いんだよな……。そんな感想を持った。
 

うーん、婚約者が待ってるって言っちゃおうかなー、と考えたところで、明るい声に皆の意識が向いた。

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