朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「取りあえず、時間潰してから帰ってくださいね。あ、神宮さんが誘われてたことは咲桜ちゃんに連絡済みですから~」


「あんたほんと何がしたいんですか! 咲桜に知られたくないんじゃないんですか⁉」


「取りあえず、神宮さんを追い詰めたいですねえ~」


「…………」
 

す、すごい……流夜が追い詰められている……。


「知られてるならさっさと帰ります」
 

流夜が扉に手をかけたとき、また朝間先生から声が飛んだ。


「今日も警察署へご出勤ですか」


「―――え?」
 

反応したのは俺で、流夜は足を停めただけだった。


「神宮さんの根本が犯罪学者であることは在義兄さんから聞いて知っていますし、否定する気はありません。実績のほどが在義兄さんを凌駕していることも――認めたくないですが、事実のようですしね」

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