朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


朝間先生がヘンなこと呟いた。


この二人の関係性って……あまり関わりたくないな。
 

流夜の弟やらはちょっと気になる。今度咲桜にでも訊いてみようか。


「………」
 

あれ? そういえば……


「あの、朝間先生?」


「なんですか?」


「さっき言ってた……根本が犯罪学者? て、なんですか?」


「ご存知ないですか? 神宮さん、教師になるより前から犯罪学者として活動してるらしいですよ。私も在義兄さん――咲桜ちゃんのお父さんからの伝え聞きですけどね」


「………」
 

学者? でも確か、流夜は自分と同い年だったはず。


自分は四年生の大学を出て、新卒で教職に就いているから……い、いつそんなことをしていたんだろう……。


学者って、博士号とか必要だよな? そういうのって院生にならないといけないんじゃ……?


「……………」
 

――神宮流夜、とにかくナゾを振りまいている人物像だけが固まって来た。

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