朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
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休日に吹雪のところにいると、スマートフォンが着信を告げた。
「流夜―、話すんなら外でねー」
吹雪に注意されたが、表示された名前を見て出る気をなくした。
なんで休日にまで――咲桜の関係のないところで――この人と話さにゃならん。
しかし、いつまでも切れる様子のない着信音。
少しの疲弊を口から吐き出し、応答した。
「もしも
『なんですぐ出ないんですか!』
怒られた。相当ご立腹のような咲桜の母代りだが、淡々と答える。
「すみません。あなたと話す理由がなかったもので」
『バカげたこと言ってないですぐにうちに来てください。咲桜ちゃんがシメられてしまいそうです』
直後、吹雪に断りもなく駆け出していた。