あなたに、依存症。
一時間くらい待ってるあいだ、わたしは自分がこの人たちと同じ精神病なのかと思うと恐かった


差別はいけないとわかっていても、やはりそう思った


「谷口さーん」とえみりちゃんが呼ばれ、診察室に入っていった


しばらく待ってると隣に座っていた赤いワンピースの女の子が

「薬飲みすぎたら肝臓おかしくなるよ、気をつけな」

と言って笑ってきた

わたしは早くえみりちゃんが戻らないかと思った


「ありがとうございました」

えみりちゃんがすがすがしい顔で診察室から出てきた

「神崎さーん」

わたしが呼ばれた

診察室は狭く、すこしじめじめしていた

先生は小柄なおじいさんで、早口で言った

「油絵描いてんだねー、すごいねー、どうしたの?気持ちどんな感じかな?」


「あ、彼氏が………浮気してるみたいで、つらくて、それに生きているのが…つらくて…あの、わたし病気じゃないと思いますが、あの」

涙が流れた

「サポーターとってみてー」

先生は見抜くなあと思ってわたしはサポーターを外した
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