ねぇ、振り向いてよ
これに関しては、1人で考えたかった。だからあさとりこには相談しなかった。








ー帰宅後ー




すると、玄関に静かに泣いている弟がいた。




「あんた、どうしたの?なんかあった?」


ここで、弟を心配しない理由がない。


だって、弟は滅多に泣かないから。







「なんもない。」






「なんもないわけないでしょ?!」






「だから、なんもないって。」






「彼女となんかあった?」

弟が少し反応した気がした。






「なんもないって言ってんじゃん、」






「彼女と別れた?」




弟は黙った。図星だ







「話してみなよ。」


私がそう言うと弟は諦めたように全てを離してくれた。




あなたのことは好きだけどこれは恋愛としてじゃなかったって言われたらしい。




それは傷つく言葉だなぁ。





「そっか。」





「後悔するくらいなら好きにならなければよかった。告白なんてしなければよかった。」

弟が言った。
でもそれは違うよ。



「違うよ。あんたがしたことは正しいことだよ。告白しないで後悔するより告白して別れて後悔した方がこれからのタメにもなるし、気持ちが楽でしょ?」





「え?」弟が顔を上げる。



私も最近知った。この気持ち。
弟にも知っておいてほしいー。
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